【情シス業務効率化】忙しい情報システム部門の特徴と仕事を減らすヒントやポイント

社内SE・情シス
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多くの企業ではパソコンなどの電子機器の管理や、社内システムの運用を担う情報システム部門を持ちます。
企業によって情報システム部門の業務範囲は様々ですが、その企業のなかでも、比較的忙しい部署であるケースも多いです。

特に、人員が少なく業務範囲が広い中小企業の情シスでは、その傾向が強いと言えます。

今回の記事では、自身の経験をもとに忙しい情シスの特徴を紹介し、その忙しい特徴を踏まえたうえで、仕事を減らすヒントやポイントを紹介していきます。
 
 

忙しい情報システム部門の特徴

まずは、忙しい情報システム部門の特徴を紹介していきます。
忙しいのには訳があり、その原因を取り除いていくことで、当然仕事は減ります。

当項で紹介する例は、すべての情シスに当てはまるものではありませんが、幾つか当てはまるなら業務過多に陥っている可能性は高いでしょう。
 

一人情シス及び他社平均より少ない人員構成の情シス

当然ですが、情シスの人数が少なければ、一人あたりの業務量は多くなり忙しくなります。

情シスの最適な人数は、情シスに求められる役割や業務範囲、その企業の事業規模や従業員数、業種によっても変わるため、一概に何人居れば良いとは言えません。

とは言え、その事業規模や業種、従業員数などによって、一般的にはこれぐらいの人数といった目安は、様々な団体や企業が公開している統計情報から得ることができます。

例えば、日本の代表的な電気通信事業者である「IIJ」が実施している「全国情シス実態調査」のページを見てみます。

全国情シス実態調査レポート2022|IIJ
【無料ダウンロード可能】IIJでは、情報システム部門で働く皆様のホンネとリアルがわかるアンケート調査を毎年実施しています。情シス部門の配属人数や年収、残業時間など様々な調査内容をレポートにまとめました。

このリンク先では従業員規模ごとの情報システム部門の人数の平均値が掲載されています。

2022年の値で言えば以下となっています。

出典:IIJ 全国情シス実態調査2022
従業員規模 情シス(正社員)の人数 情シス(正社員以外)の人数
100人未満 3.9人 1.8人
100~500人 4.1人 2.2人
501~1000 9.8人 8.3人
1001~3000人 21.0人 11.0人
3001~5000 95.4人 33.6人
5001~10000 98.2人 86.5人
10001人以上 112.8人 83.6人

この統計情報では、平均人数を算出するための分母となる従業員規模の範囲が比較的広いため、データの精度もざっくりにはなりますが、自社の従業員規模と同等のグループで記載されている情シスの人数より下回っているなら、明らかに他所の会社より情シスの人数が少ないとは言えます。

また、正社員だけで人員を構成している企業ばかりではなく、契約社員や派遣社員など、正社員以外で人員を確保して運用している企業も多いのがわかります。

上記の統計では、業態による平均人数の違いまではわかりませんが、別の企業が実施している統計では、「接客・サービス系」企業や「建設・運輸系」企業は比較的情シス人数が少なく、「卸・小売系」企業の情シス人数は比較的多いといった統計もありました。

これらの統計情報も加味しつつ、当記事では以下の目安で考えることをおススメします。

従業員100人あたり情シス1名

こういった目安を一番理解してほしいのは、その企業の経営者や役員といった経営陣です。
そういった企業の上の人たちには、このような分かりやすい目安を提示したうえで、自社の状況を説明したほうが理解しやすいでしょう。

自社の情シスの人数が、従業員数100人あたり1人を下回っているようであれば、情シス個人で担当する仕事量が多く、忙しいのは当然と言えます。

 

異なるバックオフィス系部署配下に属する情シス

ここで書く「異なるバックオフィス系部署」とは、例えば総務部の配下に情報システム課があるとか、経理部の配下に情報システム課があるといった組織構成を指します。

特に、情報システム部署の組織図上の位置が、部よりも課、課よりも係といったように、下層に下がるほど忙しさも増していく傾向にあります。

このように、情報システム部門が他のバックオフィス系部署から独立できていない場合、情報システム部門としての仕事である社内ITの保守や運用業務に併せて、上位組織の非IT業務も割り当てられる可能性があります。

具体的には、経理配下の情シスであれば、月次の会計データ作成作業や会計ソフトへの取込作業、総務配下であれば、社内の設備や機器の管理業務や郵送物の発送や仕分け作業などが考えられます。

特にExcelなどを使ってデータを加工したり集計するような作業が含まれてくると、高い確率で情シス管轄の業務として割り当てられます。

情シスは本来専門的なITの知識や技術が必要になる業務のみを割り当てるべきですが、他部署でもできるような「機器管理業務」や「OA作業」まで担当することになると、一気に業務過多に陥ります。

また、情シスは当然パソコンの扱いに長けており、Excelなどにも詳しいため、そういったものに苦手意識を持つバックオフィス系部署は事あるごとに情シスを頼ることになり、他部署の業務がどんどん流入してくることにもなります。

 

部門長がITに疎い非IT技術者の情シス

情シスの部門長がその企業でどのように立ち回るのかも、情シスの業務量や忙しさに大きく影響を与えます。

一般的に、管理職は配下の社員の業務を管理します。
その管理内容には、業務内容や業務量が含まれます。

各部署の部門長は、他部署からの業務依頼を受け付けたり、他部署との業務に関する調整役でもありますが、情報システム部門の部門長がITに対する知識がない非IT技術者の場合は、自部署の業務量の適切な管理ができず、自部署の情シス社員を業務過多に陥らせる可能性があります。

例えば、自社の業務システムに対して他部署から改善要望があった場合、ITの知識がない情シス部門長ではその要望内容を対応するために必要となる作業内容や、その作業の難易度、作業量を正確に測ることはできません。
知識がないために、一見すると軽微な作業で対応できると甘く見てしまい要望を受けてしまう。

また、自部署の社員が行っている作業内容や業務内容の技術的な難易度や作業量を正確に把握できないために、割り振る業務量がメンバーのキャパシティを超過してしまうといったことは起こりがちです。

また、情シスの部門長が自社のITコンサルタントとしての役割も機能しているなら、長期的に見て効果の期待できないと思われる他部署の要望を断ったり、他部署の要望を汲み取って対応しやすい実装内容に置き換えるような交渉もしていきます。

情シスの部門長にITの知識がなく、技術的な見地もなければ、他部署の要望を見直すことなく受け付けてくることで、その配下の情シスメンバーは効果が見込めない対応に労力を割いたり、不必要に複雑な業務ルールをシステムに落とし込むといった作業が増えて忙しくなります。

 

社員の平均年齢が若く変化スピードが早い企業の情シス

こちらはメリットデメリットがあり一概に悪とは言えませんが、社員の平均年齢が若く変化のスピードが早い企業の情シスは忙しくなります。

一般的に、社員に若い人が多い企業は事業に対して挑戦的であり、新しい事業を頻繁に立ち上げたり、社内ルールや業務を頻繁に変えたりと変化のスピードが早いです。
現代の企業経営では、新しい事業を起こすならそれに対応した業務システムの存在は不可欠ですし、業務システムと社内ルールや実業務は互いに対となって運用していかなければなりません。

情報システム部門では、会社の変化に合わせて自社の業務システムを改修したり、新しいシステムを作らないといけないのですが、会社の変化が早ければそのスピードに合わせて情シスも対応することが必要になり、その対応で忙殺されます。

また、業務システムを頻繁に改修することで、必ず予期しない不具合も起こります。
これはどんなにしっかりシステムテストをしていようが、適切に開発工程を管理していようが避けようがなく仕方がないのですが、自社の変化に併せて頻繁に業務システムに手を入れることで、高頻度でシステムに不具合が発生して、次はその不具合の対応で情シスメンバーの業務量が増える悪循環も起こります。

若い企業では組織的な業務管理も弱く、新しく起こした事業を継続できずに自然消滅したり、場当たり的に変更した業務ルールに合わせてシステムを改修したが、結局また元に戻すといったケースも多く見受けられます。

 

他部署の業務フローに組み込まれることが多い情シス

「他部署の業務フローに組み込まれる」とは、例えば以下の様な業務フローを指します。

  • 他部署からの依頼をうけて業務システムのマスタ登録を情シスが実施する。
  • 他部署からの依頼をうけて社内ポータルの掲示を情シスが反映する。
  • 他部署からの依頼をうけて業務システムへ間違って入力したデータを情シスが修正する。

これ自体はどこの会社でも広く行われていると思いますが、このように組み込まれている業務フローが多ければ多いほど情シスは忙しくなります。

この状況で問題なのは、あくまで他部署の業務にも関わらず、情シスが介在しないとその業務が完了しない点です。

内部統制などでは、情シスの存在は都合がよく、実担当部署との利害関係のない第三者として情シスを業務フローに介在させるというケースも多いです。
情シスは専門性の高い部署である以上、情シスにしかできない作業が発生することは仕方がないのですが、情シスが対応しないと他部署の業務まで回らなくなる業務フローが増えていくことで、本来の情シスとしての業務より優先させざる得ない作業が増えていき、それらが情シスの仕事を更に忙しくします。

また、似たようなケースで、社内の非IT的な内容の会議の場でも必ず情シスが呼ばれるといったケースもあります。
確かに、現代のあらゆる業務にとってITは無くてはならない存在であり、社内のシステムを管理する情報システム部門には様々な会議に参加してもらい、社内で起こっている様々な検討事項を知ってもらうことは重要だと思いますが、これも度が過ぎると情報システム部門の大きな負担に繋がります。

 

ITリテラシーの低い企業の情シス

情シスの忙しさには、その企業全体のITリテラシーの度合いが大きく影響します。

情シスは企業内におけるITの専門家ですが、ITリテラシーの高い社員が多い企業であれば、情シスとの能力差も比較的少なく、情シスへの問い合わせや情シスに業務を依存することも少ないのですが、ITリテラシーの低い社員が多い企業では、情シスとの能力差は大きくなり、事あるごとに情シスへ問い合わせをしたり、情シスに作業をお願いする状況になります。

よく聞く話では、「通電する機械はすべて情シスが担当」といった企業も少なくはありません。

社員のITリテラシーは低くても、世の中はどんどんデジタル化に進んでいます。
紙でやり取りをしていた請求書などの書類は電子化され、社内の稟議や承認の流れはハンコリレーからワークフローシステムに置き換わり、パソコンやタブレット端末を使わないと従来の業務は進められません。
取引先や顧客がデジタル化を進めている以上、自社だけアナログのままではいかなくなっています。

デジタル化を求める社会と低いITリテラシーの社内のギャップを埋めるのは、その企業の情報システム部門です。
そのギャップが開くほど、情シスは対応すべき業務が増えて忙しくなります。

また、社員ではなく、経営陣のITリテラシーが低い場合は、ITへの投資が進みません。
社内のIT化を進めるには相応の投資が不可欠ですが、ITリテラシーの低い経営陣では投資する価値を理解できず、社内の業務はデジタル化されず非効率なままになります。
そのような企業に務める情シスには、社内業務を改善するための十分な予算を得ることができず、非効率な業務を現状維持で継続することになります。

社内全体がデジタル化できずに効率的な業務が行えていないのであれば、情シスの業務を効率化するのにも限界が出てきます。
お金を掛ければ常に効率化できるわけではありませんが、情シスが管轄する範囲の業務を、まったくお金を掛けずに効率化するのは難しいでしょう。

 
 

忙しい情報システム部門の仕事を減らすヒントやポイント

当項では、前項で紹介した情シスが忙しくなる原因を踏まえつつ、どのようにすることで仕事を減らせるかの案を紹介していきます。

 

業務を他部署に移管する

これができればやっていると思われそうですが、社内交渉を上手く運ぶことで十分実現は可能です。

例えば、前項の情シスが忙しくなる原因の一つにもあった「情シスが業務フローに組み込まれている」ケースでは、他部署の業務を自部署で対応することになっている情シス目線で言えば面倒ですが、依頼を出す他部署側でも同様に面倒だと感じている可能性はあります。

情シスに対応してもらわないと業務が完結できないのであれば、余裕を持って依頼をすることが必要になり、緊急対応を依頼する場合情シスの顔色を見ながら気を遣う必要もあります。

自部署で業務の完結できる術がないので仕方なく情シスに依頼をして対応してもらっており、自部署で完結できるようになれば、その担当部署側でも業務負担が減り、効率化に繋がる可能性があります。

であれば、情シスを介さずに他部署の業務が完結できるような仕組みやツールを提供してあげることで、我々情シスは業務量が減り、依頼元の他部署では業務が自部署内で完結するようになり、双方にメリットが生まれます。

例えば、マスタ登録を他部署に移管するのであれば、データベースの知識やプログラミングの知識がなくても、業務システムのマスタ登録ができるような「マスタメンテナンスツール」を提供してあげることで解決します。

情シスがプログラミングに精通しており内製できるなら内製して提供します。
情シスのプログラミングスキルはなくても、ローコード・ノーコード開発ツールなどを使用してマスタメンテナンスツールを提供することもできます。

他部署との利害関係は一致しているので、その他部署と連携して社内承認を得て外部のシステム開発会社に開発を委託して作ってもらうこともできるかも知れません。

このように、情シスじゃないとできない業務を可能な限り無くして他部署に移管していくことは、情シスだけではなく他部署にとっても効率化に繋がる有効な対策の一つです。
また、情シスは、非IT系部署とは異なり、ITに対する高い専門性が求められる職種です。
人員を増やすにしても教育するにしても、他部署より多くのコストが掛かります。

その意味でも、情シスには情シスにしかできない業務をやってもらうのが、その企業にとっても大きなメリットになるはずです。

 

業務を社外に移管する

前項では社内の他部署に移管する案を紹介しましたが、業務内容や社内の体制によっては、社外に移管する選択も検討するべきです。

例えば、企業の情報システム部署において定番の業務である「ヘルプデスク」や「パソコンのセットアップ」などは、それらの業務の外部委託を引き受ける専門業者も多く存在します。

当ブログでも、過去に私自身が自社のヘルプデスク業務を外部委託した経験を踏まえて記事を書いています。

良ければ参考にしてください。

社外に業務を委託する場合は、当然相応の費用が掛かります。
そのため、情シスが作業が減りますといったアピールだけでは、なかなか経営陣からの承諾はもらえません。

情シスの業務を切り出して外部業者に委託するメリットとしては以下になります。

  • システムの運用や機器管理などの保守業務を軽減できる。
  • 繁忙期や閑散期の業務量を平準化できる。
  • 業務の俗人化を防ぐことができる。

情シスが担当するヘルプデスク業務では、様々な問い合わせが来ますが、その企業の業務知識がなくても対応できるようなパソコンの不調に関する問い合わせや、Officeの操作に関する問い合わせなどは、外部業者でも十分に対応可能です。

また、業務知識が必要な問い合わせでも、簡単なものであれば業者を教育することで対応できるようになります。
例えば、ヘルプデスクの一次受けを外部業者で担当し、外部業者で対応しきれない内容は情シスにエスカレートする運用になります。

このような運用を採用し、適切に外部業者と連携することで、情シスへの問い合わせは激減する可能性があります。
情シスでは電話での問い合わせを受ける度に、その時に進めていた作業を止めて電話対応を優先することになるため、問い合わせが減ることで情シスの作業効率が各段に上がります。

また、情シスが不在時や業務時間外であっても外部業者は電話を受け付けて対応してくれるため、情シス以外の従業員側でもメリットはあります。

パソコンのセットアップ作業を外部委託することで、例えばパソコンの一斉入れ替えや大量導入によって、情シスの人員がその対応に掛かりっきりになり、セットアップ以外の社内対応ができなくなったり遅延するといったことも無くなります。

また、予めセットアップ済み在庫なども用意しておくことで、パソコンの故障の連絡を受けたら、その業者からすぐに発送してもらうといった迅速な対応までできるようになります。

外部に業務を委託する場合、その業務の手順やマニュアルが整備されている必要があり、作業手順をまとめつつ、改めて見直しをしてより効率的になるように変更することで、結果的に業務内容は可視化され、俗人的な業務は見直されることになります。

外部に委託する業務は社内の情報システムを維持するための業務であり、貴重な自社のデジタル人材をこれらの業務に割り当てたところでその企業の売上拡大や事業拡大には繋がりません。
DXなどの取り組みを進めて、ITやデジタルを活用した売上拡大や事業拡大を目指すのであれば、自社のデジタル人材に生産性のない業務を割り当てることは可能な限りなくすことが必要です。

 

ローコード・ノーコード開発ツールをユーザーに導入する

最近広く利用されるようになってきているのが、プログラミング知識がなくても業務アプリケーションを作ることができる「ローコード・ノーコード開発ツール」です。

これらを社内に導入することで情シスの負担を軽減する案もあります。

但し、当案では、このツールを情シスが使って業務アプリケーションを作るのではなく、情シス以外の非IT社員に作らせるために導入します。

前項の情シスが忙しくなる原因の一つにあった「社員の平均年齢が若く変化スピードが早い企業」と「ローコード・ノーコード開発ツール」の相性は非常に良く、その企業の業務効率化や事業の拡大に大きく寄与する可能性を秘めています。

まず、一般的に年齢が若ければ若いほど物事の覚えは早いため、新しい業務ツールを導入した場合にそのツールの使い方を理解するの比較的容易です。

また、「ローコード・ノーコード開発ツール」では、プログラミングの高度な知識がなくても、簡単の業務アプリケーションが短時間で作れるのが特徴であり、変化の早い企業のなかで、必要な業務アプリケーションを現場で素早く作成できるメリットは非常に大きく、様々な相乗効果が期待できます。

このような仕組みが構築できれば、情シスの役割は「ローコード・ノーコード開発ツール」を作る社員たちへのアドバイスや運用を支援する役割や、社員たちが作成した業務アプリケーションがコアとなる業務システムの機能とバッティングしたり、データの連携が適切にされるように管理する役割に変わります。

情シスの負担は軽減できて、社内の変化にもフレキシブルに対応できるようになり、非常にメリットが大きい対策と言えます。

 

社内への発信力とリーダーシップの強化

情シスは「縁の下の力持ち」といったイメージもありますが、情シスの仕事はITに関する専門的な仕事であり、その仕事内容の難しさや大変さをITに詳しくない人に理解してもらうのは困難です。
社内の「縁の下」に甘んじている限り「力持ち」だとは認識してもらえません。

「うちの情シスはなんか忙しそうだけど、何をやっているかはわからない」といった印象を社員から持たれている限り、他部署から情シスが尊重されることはなく、ただのパソコン周りの便利屋さんとして都合よく仕事を頼まれてしまいます。

例えば、世の中ではインターネットが全盛ですが、昔からある地上波のテレビCMでは、未だに大きな企業が莫大な広告費をつぎ込んで全国にCMを流しています。
これは、人の目に触れる機会を増やし、その商品やサービス、企業のイメージを消費者に刷り込むためには、テレビCMが現在も有効だからです。

情シスの仕事においても、意識して人の目に触れさせて、認知してもらう機会を増やすことは、その企業内での情シスの役割や重要性を刷り込むイメージ戦略として有効です。

よって、情シスの仕事内容やその成果、会社への貢献度合い、現在進めているプロジェクトやそれによる効果などの情報は事あるごとに発信し、社内における情シスの存在感をアピールすることは非常に重要です。

社内のITリテラシーをあげるのも同様に、パソコンの適切な使い方やOfficeの操作方法などを社内のグループウェアなどで定期的に発信し、より広く周知させることが効果的です。
社員全員がその案内を真面目に読んではくれませんが、なかには真面目に読む人は必ず存在します。
そういった活動を繰り返していくことで、少しずつ社内のITリテラシーは向上していきます。

また、本来企業の情報システム部門は、様々な部署を横断してシステムの要件を取りまとめたり、ITの専門家としてリーダーシップを取りながら自社の業務の効率化を進めるといった役割があります。

本当にそのような役割を担うのであれば、各部署の利害関係に影響を受けない立場にいる必要があり、前項の情シスが忙しくなる原因の一つにあった「異なるバックオフィス系部署の配下」にいてはその役割は務まりません。

情報システム部門は、他のバックオフィス系部署とは分離、独立していないと、本来の役割は発揮できないと言えます。

情報システム部門が独立して存在させるには、やはり当項の冒頭で伝えた通り、社内に対して存在感をアピールし、情シスは自社にとって重要な部署であり、情シスに所属する社員は専門性の高い仕事ができる特別な人たちなんだと周知させることが必要です。

その様な取り組みを継続していくことで、人員の増員といった提案も、経営陣や他部署に受け入れてもらえる土壌が育っていくことになります。

 

経営陣から魅力的に映る社内提案の実施

情シスの業務効率化のためには、お金を掛けて機器を導入したり、サービスを導入することが必要になる場合もあります。

その場合、その費用が大きければ大きいほど、その提案を吟味して承認するのは役職の高い経営陣や社長です。

そのような人たちは、一般の社員とは物事の良し悪しを判断する視点が異なります。
具体的な判断基準の例としては「費用対効果」です。

  • その資金を投下することで、どれほどの利益が見込めるのか?
  • 業務効率化に繋がるなら人員は何人減らせるのか?
  • 損益分岐点を経過して利益が発生するのはいつからか?
  • 会計上節税になるのか?

提案内容における技術的な優位性や革新性、社会的意義を説いてもまったく意味はありません。

簡単に言えば、「これだけ儲かるのでお金をください」といった趣旨の提案である必要があります。

このあたりのお話は、当ブログでも過去に記事にまとめているので、良ければ以下の記事も参考にしてください。

また、特に中小企業の場合は、IT関連の投資内容によっては、国や地方自治体が行っている助成金や補助金の申請ができる場合もあります。
国や地方自治体が費用の一部を負担してくれる、全額を負担してくれるものもなかにはあります。

このような制度を上手く活用することで、経営陣にIT投資を促すことができます。

IT関連の助成金制度は、経済産業省などのホームページや、各地方自治体のホームページなどで、大々的に又はひっそりと公開されていたります。
例えば、経済産業省管轄の「IT導入補助金2022」特設サイトであれば以下のリンク先です。

トップページ | IT導入補助金2023
令和元年度補正予算・令和3年度補正予算「IT導入補助金2023(サービス等生産性向上IT導入支援事業)」のポータルサイトです。本事業は、ITツールを導入しようとする事業者に対して、ITツール導入費用の一部を補助する制度です。

また、そのような制度は大体期間限定であり、募集期間が終了したり所定の申込数になれば打ち切られます。

現在利用できる助成金制度がないか、定期的にチェックすることもおススメします。

 

業務効率化は自部署ファースト

情シスには、様々な部署から要望や相談が舞い込んできて、それらの対応が優先され、情シス自身の業務効率化などの改善は疎かになりがちですが、それでは仕事は一向に減りません。

自社の業務効率化で最優先にすべきは、自部署である情報システム部門です。

情シスの業務を見回してみた際に、非効率な業務を疑問も持たず続けてはいないでしょうか?

  • 毎月月次に手作業で実施する売上データの集計作業
  • 異なるシステム間で二重に登録が必要なマスタ管理
  • ユーザーが頻繁に入力ミスをするシステムのデータ修正対応
  • スペックが足りておらず頻繁に動作が固まるパソコンの使用

情シス自体の業務効率化もできていないのに、他部署の業務効率化はできません。

定例のデータ集計を手作業で実施しているなら、それはバッチ処理やVBAなどで内製して自動化するべきです。
そもそもその集計は本当に必要なのかも提出先に対して問うことも必要です。

二重でのマスタ登録が必要であれば、片方に登録すれば自動的に反映させる仕組みを作るなり、一つに集約するようなシステム改修を進めてもよいでしょう。

明らかにユーザーの入力ミスを誘発する設計になっているシステムがあり、そのために情シスのデータ修正対応が頻繁に発生しているなら、元を絶つためにシステムを改修するべきです。

パソコンのスペックが足らずに業務効率が落ちているなら、すぐに新しいパソコンを買い直すべきです。

社内の端末管理に労力を掛けているなら、IT資産管理ツールを導入することで、管理する労力は軽減できます。

度々サーバーやネットワーク機器の障害が発生してその対応で情シスの負荷が増しているなら、信頼性の高い製品を導入して入れ替えます。

パソコンのモニターを大きくするだけでも、画面内で表示できる情報は増えて、業務効率は上がります。

これらのように、情シス自身の業務内容や職場環境において、非効率なものや生産性を下げている要因がないかを見渡して、そういったものが見つかれば、最優先で見直しをしていきましょう。

このような見直してをして、初めて他部署の話をゆっくり聞いて、じっくりと改善案を検討する時間を確保することができるようになります。

 

技術を身に付けてあらゆることを貪欲に学ぶ

何度も書いていますが、情シスは専門性の高いIT技術職です。
企業の情報システムを安全に運用し、適切に管理するお仕事です。

IT企業ではなく、非ITの事業会社の場合、情報システム部門の社員が技術職として特別待遇を与えられるケースは少ないかと思いますが、それでも我々自身は特別な仕事だと認識しておくことが大事です。

ITの技術職であれば、自身がその社内でも特別な存在で有り続けるように、技術を学び続ける必要があります。

情シスの立場は、非ITの社員に囲まれて日々仕事をすることで、そのIT知識の差から自身の能力に慢心し、学ぶことをやめてしまうこともあるかもしれませんが、それでは特別な存在で居続けることは不可能です。

プログラミング技術を習得すれば、自社の業務を自動化したり、自社の業務にフィットした業務アプリケーションを開発することができます。
サーバー技術を習得すれば、サーバー障害で止まることがない信頼性の高いサーバー環境を構築できます。
ネットワーク技術を習得すれば、自社のネットワークを適切に構築し、セキュリティを確保して遅延のない通信環境を提供できます。
セキュリティ技術を習得すれば、サイバー攻撃の被害を回避して、企業の社会的信頼を保つことができます。

当ブログでは、社内SE(情シス)に求められるIT技術を紹介した記事を公開しています。
もしご興味があればご一読ください。

ただ、忘れてはいけないのは、あらゆる技術は習得することに意味があるのではなく、活用することに意味があります。
情シスであれば、身に付けた技術を活用して、その企業の事業に貢献することです。

また、情シスのお仕事では、ITの技術だけではなく、会計の知識も必要になるケースは多々あります。

企業の事業活動は最終的に会計データに集約されます。
簿記などの会計知識は、システム設計の場面でも意識しておくべきですし、システム開発を外注したり、サーバー機器などを導入するといった大きなお金を動かすことから、固定資産や減価償却、期末に掛けての経費計上などで経理や財務部門と会計知識を持って連携することも必要です。

また、人事系システムや勤怠管理システムなどの構築や運用を通して、人事系部署の役割である労務管理や勤怠管理などにも詳しくなります。

製造業なら生産管理システムなどを通して、自社の製造プロセスや資材管理に精通し、小売業であれば、販売管理システムを通して、在庫管理やマーケティングなどを学びます。

このように、企業の情報システム部門では、IT技術だけではなく非常に多くのことを学ぶことが求められます。
これらを貪欲に学ぶことで、その企業のなかで高い信頼を得ることに繋がり、何れ貴方自身がその企業の情報システム部門の部署長になっているかもしれません。

 
 

最後に

今回の記事では、忙しい情報システム部門の特徴を紹介し、仕事を減らすヒントやポイントを解説しました。

この記事の内容は、当てはまる企業と当てはまらない企業があり、おそらく社員数が数千人以上の大きな企業には当てはまらないと思います。
その様な企業では、情シスの業務は細分化され、雑多な業務で忙殺されるといった状態にはなり難いです。

この記事が当てはまるのは、社員数が千名以下の中小企業です。
そのような企業で働く情シスの皆さんは、程度の差こそあれ、非常に忙しくしています。

記事で書いた内容を、私自身すべて徹底できているかと言えばそうではありませんが、情シスの仕事をするうえで常に意識はしています。
その結果、現在の私は比較的毎日余裕を持ってお仕事ができています。

今回の記事で書いた内容が、世の中の中小企業に務める情シスの皆さんが少しでも楽になるヒントになれば幸いです。
今回も長々と読んでいただきましてありがとうございました。

それでは皆さまごきげんよう!